からしとマスタードの違いって何?意外に知らなかった事実
2016/03/10
様々な料理に添えられる、からしやマスタード。
なんとなくからしは和食や中華、マスタードは洋食に使われるものと分けられているようですが、実際のところ、味や成分などに何か違いがあるのでしょうか。
ここではからしとマスタードの違いについて紹介します。
からしとマスタードは、原料の植物が違う
形状や味から「からしとマスタードの原料は同じものでは?」と思いがちですが、実は少し違うものです。
○からし
・「和辛子」とも呼ばれる。
・セイヨウカラシナの種子「オリエンタルマスタード」を粉末にし、水や湯で練ったものを調味料とする。
○マスタード
・カラシナ(イエローマスタードやブラウンマスタード)や、シロガラシ(ホワイトマスタード)の種子やそれを粉末にしたものに、水や酢・糖類や小麦粉などを加えて練った調味料。
・ホットドッグなどにつける「マスタード」は、北米で日常的に用いられている「イエローマスタード」のこと。
ターメリックで色付けされ、マイルドで酸味がある。
このような原料の違いに加え、からしは水やお湯のみで練られていますが、マスタードには様々な調味料が入っています。
辛味の成分の違い
からしとマスタードでは、辛味成分も異なっています。
・からし→辛味成分はアリール辛子油で、揮発性が高く、刺激の強い辛味が特徴。
・マスタード→辛味成分はベンジル辛子油で、揮発性が低く、マイルドな辛味が特徴。
辛さの質が違うので、からしはおでんやところてん、シューマイなどに添えられて「薬味的な扱い」をされています。
それに対し
マスタードはドレッシングやマリネの味付けや、肉料理やポトフに添えられるなど、もう少し「料理に踏み込んだ扱い」となっています。
しかしマスタードが日本で普及する前は、洋食店ではマスタードの代わりにからしが使われていました。
今でも古い洋食店のテーブルにからしが置かれているのは、その名残りと言われています。
「粒マスタード」の粒の正体は?
マスタードと言えば、ソーセージなどに添えられる粒マスタードを思い浮かべる人も多いでしょう。
あの「粒」の正体は何でしょうか?
正解は「ブラウンマスタードの種」です。
粒マスタードは、ブラウンマスタードを挽かずに種子の形のまま利用します。
粒マスタードは調味料を混ぜ、熟成させて作るので、種子をかじることになっても辛味を感じることはないのです。
・料理にそれぞれの代用はできる?
項目の中で、以前は洋食店でもマスタードの代わりにマスタードを使っていたことを述べましたが、実際にからしがマスタードの代わりをしたり、マスタードがからしの代わりをする、ということはあまりありません。
辛味成分に違いがあるため、代用しても料理の味を引き立てることができないのです。
例えば、からしとマヨネーズを混ぜた「からしマヨネーズ」なら少しマスタードらしさは出ますが、美味しく使えるのはサンドイッチくらいではないでしょうか。
最後に
似ているようなからしやマスタードも、こんなに違いがあります。
この特性を知っておくと、料理の幅もきっと広がりますよ。