喪中にしてはいけないあれこれ!様々なケースを考える
2016/03/10
誰しも、家族や親戚の死を経験するのは辛いことですね。
亡くなった方を偲び、喪に服す期間のうち、人は心を整理していくのかもしれません。
ところで、喪に服す期間=喪中には「してはいけないこと」があります。
ここでは具体的にどのようなことをしてはいけないのか、説明をしたいと思います。
喪中にしてはいけないこと→お祝い事と社交的な事
喪中とは「亡くなった人の近親者が、故人の冥福を祈り、一定の期間は外出や社交的な行動を慎む期間」のことを指します。
その期間は一定ではなく、亡くなった人との関係や、信仰している宗教によっても変わってきますが、一般的には亡くなってから一周忌までの一年間を喪中と考えます。
まず、この期間で慎まなければならないのは「お祝い事」です。
具体的には、
・結婚式(入籍は書類上のことだけなのでOK)
・お正月行事(門松等の玄関飾り・鏡餅などのお供え・年始の挨拶回り)
などが該当します。
また、社交的な行動も慎むべき期間なので、旅行や引っ越しなどもできれば避けた方が良いとされています。
ただし結婚式に関しては既に日取りが決まり、出席者が決定している場合は都合を考え式を執り行う場合もあります。
もちろん内容が具体化していなければ、喪が明けてから執り行うように日取りを延期・調整します。
また、旅行や引っ越しもケースバイケースという考え方で良いでしょう。
喪中と忌中の違い
喪中の他に、忌中という期間があるのをご存知ですか?
「忌」とは、神道における「死は穢れである」という考え方と仏教の「人は亡くなってから49日間の間に次の生を受ける」という考え方が合わさったもので、忌中は「故人を偲び、御霊を鎮める期間」とされます。
通常49日で、50日目を「忌明け」と呼びます。
なお、キリスト教や浄土真宗には「忌」という概念がありません。
忌明けまでは、喪中よりも更にやってはいけないことが増えます。
神事や結婚式はもちろんのこと、お祝いの会への出席も控えるようにします。
また、殺生を禁じられている期間にもなるので、地方によっては魚・肉などの「生き物由来」の食べ物を避けたり、釣りや狩りを禁じている所もあります。
この行事は、してもよいこと?いけないこと?
最後に、様々なケースについて説明します。
・神社へのお参り→忌中は「死の穢れ」を持ち込むことになるのでNGだが、忌明けしていれば喪中でもOK。
ちなみにお寺には忌中でも喪中でも、マナー上はお参りに行ってもOKです。
しかしおめでたい要素も強いため、神社もお寺も初詣を避ける人が多いのが現状です。
・年賀状→本来は「季節の挨拶」なので、実はマナー上は送ることができる。
しかし、この事はあまり普及している考え方ではないため「非常識」と捉えられてしまうこともあります。
自分が喪中であれば、11月中旬から12月初旬にかけて、喪中はがきを送るのが一般的です。
・お中元・お歳暮を贈る→感謝の意を表すもので、お祝いの品ではないので贈ってOK。
ただし、紅白の水引は避けます。
・入学式・成人式・七五三→節目のことなので、祝ってもOK。
・お年玉をあげる→お祝いにあたるが、考え方としてはお金をのし印刷のないポチ袋に入れたり、文具代として渡せば問題ない。
最後に
・何よりも「気持ち」が大切
マナー上はOKでも、お祝い事に気が進まなければしない方が良いですし、旅行も本来喪中期間はNGですが、気分転換になるのなら行っても良いでしょう。
大切なのはやはり「故人を偲ぶ心」と「喪失感の回復具合」ではないでしょうか。
押えるべきところは押え、後は臨機応変に向かい合っていきましょう。